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夢の後先

夢の後先

心臓が形成されるまで

心臓病について調べる前に、そもそも人間の心臓ってどうやってできるのか。先天性心疾患は、正常な心臓と異なった形であることが要因なのだから、正常な心臓とはなんなのか。ということで、心臓が形成される過程についてまとめてみました。

 心臓は、脊椎動物で最初に形をとる器官であり、ヒトでは受精後23日で鼓動を始める。しかし、この時点では一本の血管でしかない。その後、胚に血液の供給を続けることによって、その形を形成していくのである。
 動物の心臓形成は、昆虫からホヤ・サカナ・マウス・ヒトに至るまでよく似たメカニズムで起こる。すなわち、発生の初期においてまず心臓の前駆細胞が形成され、その後前駆細胞から実際の心臓が形成される。
 マウスでは、E8.5day までに側板中胚葉の一部より、心内皮層と心筋層二層からなるheart crescentと呼ばれる構造ができる。形態形成に伴い、左右のheart crescentが正中線上に移動し、合一し、心筒ができあがる。この心筒が、ルーピングを伴いながら、流出路、流出弁、心室、房室弁、心室、流入路へと分化し、複雑な心臓形成がなされる。また、血管系は血管内皮細胞が互いに結合し、毛細血管を形成していく。毛細血管同士がさらに融合し、大血管を形成していき、動脈、静脈へと分化していく。

 一本の血管が、とても複雑に変化していくことに驚きます。遺伝子というその神秘を素直に感じられます。しかも、心臓の形成は、ヒトの場合、妊娠4週から8週ごろといわれているので約4週前後で出来上がることになります。不思議ですよね。

<参考>
心臓という問題の核心
http://jhfsp.jsf.or.jp/pub/pub97/at.html

心臓血管形成におけるNotchシグナル系の役割
http://www.nig.ac.jp/labs/MamDev/japan/j4kenkyu/j405sinzo.html

京都大学大学院理学研究科生物科学専攻動物学教室における研究
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/040524.htm



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